【決定版】防犯カメラの「画角」を徹底解説!広角で人が小さくなる問題の解決策と適正な選び方

防犯カメラを選ぶ際、「広角タイプなら広範囲を撮影できて便利」と思われがちですが、実はここに大きな落とし穴があります。

広い範囲を映せても、肝心の人物が小さくなりすぎて顔が判別できなければ、防犯カメラとしての意味がありません。

この記事では、画角の基本から「広角で人が小さくなる」問題の構造、そして目的と設置環境に応じた適正な画角の選び方まで、実践的な解決策をお伝えします。

防犯カメラの「画角」とは?

画角とは、カメラが撮影できる範囲を角度で表したものです。水平方向・垂直方向・対角方向の3つで定義され、数値が大きいほど広い範囲を映せます。

一般的に、レンズの焦点距離が短いほど画角は広くなります。たとえば2.8mmレンズは広角、6mmレンズは狭角といった具合です。

ただし、画角が広いほど良いわけではありません。広角にすればするほど、映る対象物は小さくなるというトレードオフの関係にあります。

なぜ広角だと人が小さくなるのか

広角カメラで人物が小さく映る理由は、人物が占めるピクセル数が不足するためです。

国際規格(EN 62676-4)によると、人物の顔を識別するには約250PPM(Pixels Per Meter)のピクセル密度が必要とされています。これは、画面内で人物がどれだけのピクセル数を占めているかを示す指標です。

広角レンズで広範囲を撮影すると、同じ解像度でも一人ひとりに割り当てられるピクセル数が減少します。その結果、画面には人物が映っていても、顔の特徴までは判別できない映像になってしまうのです。

また、超広角レンズでは画面周辺部に歪みが生じたり、解像度が低下したりする光学特性もあります。

広角で人が小さくなる問題の解決策

レンズ焦点距離の見直しが基本

最も直接的な解決策は、焦点距離の長いレンズに変更することです。

2.8mmから4mm、さらに6mmへと焦点距離を長くすれば、画角は狭くなりますが人物は大きく映ります。ただし、撮影できる範囲は狭まるため、目的とカバーすべき範囲のバランスを考える必要があります。

複数台配置で範囲と識別性を両立

広範囲をカバーしつつ人物も大きく映したい場合は、カメラを複数台設置するのが有効です。

広角1台で全体を無理に撮ろうとするより、適切な画角のカメラを役割分担させた方が、結果的に確実な映像を得られます。初期費用と工事の手間は増えますが、実用性は格段に高まります。

取り付け高さと角度の最適化

同じ画角でも、設置高さとカメラの角度(チルト)を調整することで人物の映り方は変わります。

高すぎる位置に設置すると頭頂部ばかりが映り、顔の識別が困難になります。一般的には、人物の目線に近い高さから適度に見下ろす角度が理想的です。

画質・圧縮設定も重要

画角が適正でも、録画時の圧縮率が高すぎるとピクセル密度が実質的に低下し、識別不能になります。

メーカーによると、ビットレートと画質のバランス設定が重要とされており、録画容量との兼ね合いを考慮しながら適切な設定を選ぶ必要があります。

目的・場所別の画角選び

目的によって必要なピクセル密度は異なります。国際基準では以下のように定義されています。

  • 検知(人がいることを確認):約25PPM
  • 観察(性別・服装の確認):約62PPM
  • 識別(顔の特定):約250PPM

戸建ての玄関・駐車場

玄関は訪問者の顔を識別する必要があるため、やや狭角のレンズが適しています。設置距離2〜4mで人物が画面の適切な大きさになるよう調整します。

駐車場は広範囲の監視と車両ナンバーの識別を両立させるため、広角カメラと狭角カメラの併用が有効です。

集合住宅・共用部

エントランスなど出入口では人物特定が求められるため、狭角寄りの設定が望ましいでしょう。

細長い通路では、遠方の人物サイズを確保するため広角より狭角を優先した方が実用的です。死角が生じる場合は台数を増やす判断も必要になります。

店舗・レジ周り

レジ周辺では手元や顔の識別が重要なため、画角の広さより人物サイズを優先します。

真上から撮影すると顔が映らないため、斜め上からの角度設定が基本です。

よくある誤解:広角=高性能ではない

「広角レンズなら何でも映る」「高解像度なら画角は関係ない」というのは誤解です。

解像度を上げてもピクセル密度の改善には限界があり、画角と設置距離の組み合わせが適正でなければ、識別可能な映像は得られません

また、バリフォーカルレンズ(焦点距離調整可能)は現地調整の柔軟性が高い反面、固定焦点レンズより高価です。予算と目的に応じて選択しましょう。

まとめ:画角選びは設置距離と撮影目的で変わってくる

防犯カメラの画角選びでは、「広ければ良い」という考えは禁物です。

設置距離と撮影目的を明確にし、必要なピクセル密度を確保できる画角を選ぶことが、実用的な防犯カメラシステムの第一歩です。広角で人が小さくなる問題は、焦点距離の見直し、複数台配置、設置高さの最適化といった具体的な対策で解決できます。

まずは「何を、どこまで識別したいのか」を整理し、それに見合った画角と配置を設計することをおすすめします。