防犯カメラの夜間映像に、虫が白く映り込んで肝心な映像が見えない。そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
特に夏場は、赤外線照明に誘われた虫が大量に飛来し、画面全体が白く飛んでしまうケースも。さらにレンズ前に張られた蜘蛛の巣が光を乱反射させ、映像品質を著しく低下させることもあります。
この記事では、夜間の虫対策に有効な機種選びのポイントと、設置・設定で実践できる具体策を解説します。
もくじ
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なぜ夜に虫が防犯カメラへ集まるのか
夜間の防犯カメラが虫を引き寄せる主な原因は、赤外線LED照明にあります。
一般的な防犯カメラは、暗闇でも撮影できるよう850nmまたは940nm帯の赤外線を照射しています。メーカーによると、この波長域は人間の目には見えませんが、一部の昆虫には弱く知覚される可能性があり、光源として認識されることがあるとされています。
また、レンズ周辺のハウジング(筐体)に凹凸があると、そこへ蜘蛛の巣が形成されやすくなります。巣に赤外線が反射すると白飛びが発生し、映像全体がぼやけてしまうのです。
加えて、カメラ周辺に街灯や看板照明がある場合、それらの光にも虫が集まり、結果としてカメラ付近に虫が集中する環境が生まれます。
虫を寄せにくい機種選び|3つの判断軸
防犯カメラを選ぶ際、虫対策の観点から注目すべきポイントは以下の3つです。
赤外線の波長と出力
赤外線LEDには850nm帯と940nm帯の2種類があり、虫の反応に差があることが研究で示されています。
| 波長 | 特徴 | 虫への影響 |
|---|---|---|
| 850nm | 映像が明るく鮮明 | やや虫が寄りやすい |
| 940nm | 人間にもほぼ不可視 | 比較的虫が寄りにくい |
940nm帯は映像がやや暗くなる傾向がありますが、虫の映り込みを抑えたい場合は940nm対応機種が有利です。
また、出力を必要以上に高く設定すると照射範囲が広がり、虫を引き寄せやすくなるため、撮影範囲に応じた適切な出力の機種を選ぶことが重要です。
蜘蛛の巣ガード・超音波機能
一部のメーカーでは、レンズ周辺に蜘蛛の巣が張りにくい構造を採用した機種や、超音波で虫を忌避する機能を搭載した製品を提供しています。
完全に防げるわけではありませんが、設置環境によっては効果が期待できるため、虫の多い地域では検討する価値があります。
ハウジング形状とAI機能
ハウジング(筐体)の形状も重要です。表面が滑らかでシンプルなデザインの方が、凹凸が少なく蜘蛛の巣が形成されにくくなります。
また、AI搭載機種の中には、虫や雨滴などの小型物体を映像から除外し、誤検知を低減する機能を持つものもあります。ただしこれは映像そのものから虫を消すわけではなく、アラート精度を高めるための補助機能である点に注意してください。
設置・設定で実践できる虫対策
機種選びだけでなく、設置方法や日常の運用でも虫対策は可能です。
設置位置と高さの工夫
虫は光源の高さや周辺環境に影響されます。一般的に、以下のような設置が推奨されています。
- 地面から3m以上の高さに設置する
- 外壁や庇の下など、風通しの良い場所を選ぶ
- 近くに樹木や水場がある場合は、できるだけ距離を取る
ただし、防犯性能を損なわないよう、撮影範囲とのバランスを考慮することが前提です。
赤外線の出力調整とスケジュール設定
多くの防犯カメラには、赤外線の照射強度を調整できる機能があります。必要最小限の出力に抑えることで、虫の誘引を減らせます。
また、タイマー機能を活用し、人通りの少ない深夜帯のみ赤外線を弱める、あるいは一時的にオフにする設定も有効です。ただし、防犯性能とのバランスを見極める必要があります。
周辺照明の見直し
カメラ周辺に設置されている照明が虫を引き寄せている場合、低誘虫タイプのLED照明への交換を検討しましょう。
照明業界では、紫外線成分の少ない電球色LEDが虫を寄せにくいとされています。建物側の照明配置を工夫することで、虫の集積点をカメラから遠ざけることも可能です。
定期的な清掃とメンテナンス
メーカーによると、レンズやハウジングに付着した蜘蛛の巣や汚れは、赤外線を乱反射させ白飛びの大きな原因になります。
月に1回程度、柔らかい布でレンズ周辺を拭き取るだけでも映像品質は大きく改善します。高所作業になる場合は、安全に配慮して実施してください。
まとめ:機種と運用の両面から対策を
夜間に防犯カメラへ虫が映り込む問題は、赤外線照明と周辺環境が主な要因です。
対策の第一歩は、940nm帯の赤外線を採用した機種や、蜘蛛の巣ガード機能を持つ製品を選ぶこと。そのうえで、設置位置・出力調整・周辺照明の工夫・定期清掃といった運用面の対策を組み合わせることで、映像品質を大きく改善できます。
完全にゼロにすることは難しいものの、適切な機種選びと日常管理の継続が、夜間の虫対策における現実的な解決策です。

