安価なダミーカメラを設置すれば、本物と同じように防犯できる。そう考えて購入を検討している方も多いかもしれません。
結論から言えば、ダミーカメラは「見せるだけ」の心理的抑止ツールであり、撮影・記録機能は一切ありません。素人の機会犯には一定の効果が期待できる一方で、プロの窃盗犯や下見を重ねる相手には簡単に見破られてしまいます。
この記事では、ダミーカメラが見破られる具体的な条件と、本物のカメラや他の防犯対策と組み合わせることで効果を最大化する現実的な方法を解説します。
もくじ
お好きな項目へ読み飛ばすことができます
ダミーカメラが「バレる」外観と運用の落とし穴
ダミーカメラが見破られる最大の理由は、外観の不自然さです。
防犯機器メーカーの解説によれば、以下のような特徴があると、経験豊富な犯罪者には一目で偽物だと判断されます。
- 配線が一切ない、または明らかに接続されていない
- 固定が甘く、風で揺れたりズレたりしている
- プラスチックの安っぽい質感や色褪せ
- 本物のカメラと比べてレンズや形状が不自然
特に数千円程度の安価な製品は、素材や構造の再現性が低く、本物との差が目立ちやすい傾向があります。
また、外観だけでなく周囲環境との不整合も見破られる要因になります。
たとえば、ダミーカメラだけが設置されていて、他の防犯対策(センサーライト、防犯ステッカー、施錠強化など)が何もない場合、「本気で守る気がない」と判断され、かえって狙われるリスクが高まります。
警備会社や自治体ガイドラインでも、カメラ単体での防犯ではなく、複数の対策を組み合わせることが推奨されています。
それでも「効果がある場面」は確かに存在する
一方で、ダミーカメラにまったく意味がないわけではありません。
警察庁の調査を引用した解説によれば、「監視されている」と感じさせる心理的効果は一定程度認められており、特に以下のような相手には抑止力を発揮します。
- 下見をせず、衝動的に犯行に及ぶ機会犯
- 防犯知識が乏しく、カメラの真偽を判別できない相手
- 短時間で侵入をあきらめる可能性が高い素人
ただし、証拠は一切残らないという致命的な限界があります。
仮に被害に遭った場合でも、映像がないため犯人の特定や検挙には寄与せず、再犯防止にもつながりません。本物のカメラであれば、検挙に映像が寄与した割合は約10〜18.9%という警察庁データもあり、この差は極めて大きいと言えます。
プロが教える「本物×ダミー×他対策」の最強併用術
では、現実的にダミーカメラをどう活用すべきか。
防犯機器メーカーや警備会社が提案するのは、重要箇所には本物、周辺や死角にはダミーを配置する戦略です。
| 配置場所 | 推奨機器 | 理由 |
|---|---|---|
| 玄関・勝手口など侵入経路 | 本物のカメラ | 証拠確保と強い抑止力 |
| 庭・駐車場の死角 | ダミーカメラ | 抑止範囲の拡張 |
| 全体 | センサーライト・ステッカー | 複合的な心理的圧迫 |
このとき重要なのは、本物とダミーの外観を揃えること。デザインがバラバラだと、「どれかは偽物」と疑われやすくなります。
さらに、カメラだけに頼らず、以下のような対策を併用することで防犯効果は飛躍的に高まります。
- センサーライト
侵入者を光で威嚇し、周囲に異変を知らせる - 防犯ステッカー
「録画中」「警備会社契約中」などの表示で心理的圧力を強化 - 施錠強化
補助錠やガラスフィルムで侵入に時間をかけさせる
警察や自治体の資料でも、「光・音・時間」を組み合わせた防犯三原則が推奨されており、ダミー単体では総合的な防犯力は低いとされています。
まとめ:ダミーは「補助」と割り切り、本物と組み合わせる
ダミーカメラは、低コストで設置しやすい反面、証拠が残らず、見破られるリスクも高いという限界があります。
しかし、本物のカメラと組み合わせ、他の防犯対策も併用することで、限られた予算でも抑止範囲を広げることは可能です。
「ダミーで十分」と過信せず、あくまで補助的な位置づけとして活用し、重要な場所には必ず本物を設置する——この現実的なバランス感覚が、防犯対策の成功には欠かせません。

