駐車場に防犯カメラを設置したのに、いざ録画映像を確認すると「ナンバープレートがまったく読めない」という失敗は少なくありません。
高解像度カメラを選んだから大丈夫、高い位置に付けたから広く映る。そう考えて設置しても、距離と角度の条件を満たしていなければナンバーは読めません。
この記事では、一般的な駐車場で防犯カメラを使ってナンバーを確実に撮影するために必要な「距離」と「角度」の具体的な数値と、押さえるべきポイントを解説します。
ナンバーが読める条件は「角度30度・距離は高さの2倍」が基本
メーカーの技術ガイドによると、ナンバープレートを確実に撮影できる条件として、以下の数値が業界標準とされています。
- カメラの垂直角度・水平角度:30度以内
- 撮影距離:設置高さの約2倍まで
- 設置高さ:3〜10m程度
たとえば、カメラを高さ5mに設置する場合、撮影できる車両までの距離は約10m以内が目安です。
それ以上離れると、ナンバーが小さく映りすぎて読み取りが困難になります。
また、角度が30度を超えると、ナンバープレートが斜めに見えすぎて文字が判別しにくくなります。
高い位置に付ければ広範囲をカバーできる反面、角度がきつくなり、結果的にナンバーは読めなくなるというのが現実です。
「ピクセル数」が足りないと高解像度でも読めない
解像度が高いカメラでも、録画映像の中でナンバープレートが占める面積(ピクセル数)が足りなければ意味がありません。
メーカー資料によると、ナンバープレートの横幅が150〜200ピクセル以上で映っていることが、文字認識の最低ラインとされています。
広角レンズで駐車場全体を映そうとすると、ナンバーは画面の一部に小さく映るため、必要なピクセル数を確保できません。
ナンバー撮影を目的とする場合、狭い範囲を拡大して撮る「狭角レンズ」の選択が必須です。
逆光・夜間・車速への対応が成否を分ける
距離と角度が適切でも、照明条件や撮影設定が不適切だとナンバーは読めません。
逆光・ヘッドライトへの配慮
朝夕の太陽光やヘッドライトの反射で、ナンバーが白飛びして見えなくなることがあります。
設置位置を検討する際は、太陽の向きや車両の進入方向を考慮し、逆光を避ける配置が重要です。
夜間撮影には補助照明が必要
夜間撮影では、赤外線照明や外部照明を併用することで認識率が向上します。
ただし、強い照明を正面から当てるとプレートが反射してしまうため、照射角度にも注意が必要です。
シャッタースピードの設定
走行中の車両を撮影する場合、メーカーによると1/1500秒以上のシャッタースピードが推奨されています。
遅いシャッタースピードでは、ナンバーがブレて読み取れなくなります。
駐車場タイプ別の「最適解」
ゲート式駐車場
出入口のゲート付近は車速が落ちる一点であり、最も安定してナンバーを撮影できる場所です。
カメラ1台で済むうえ、角度・距離の条件も満たしやすいため、最もコストパフォーマンスが高い配置といえます。
オープン駐車場・自宅駐車場
出入口が明確でない場合、車両の通過ルートを想定し、その直線上にカメラを配置する必要があります。
高い位置から広範囲を映すだけでは、角度・距離の条件を満たせず、ナンバーは読めません。
小規模な駐車場では、低い位置に専用カメラを設置する方が有利な場合もあります。
専用カメラと一般カメラ、どちらを選ぶべきか
LPR(ナンバープレート認識)専用カメラは、ナンバー読み取りに最適化されたセンサーやレンズを搭載しており、自動認識システムと連動させる場合には必須です。
一方、単に録画映像として残すだけであれば、一般的な防犯カメラでも条件を満たせば十分に読み取り可能です。
ただし、その場合でも「角度・距離・ピクセル数」の条件は守る必要があります。
業者提案を見極めるポイント
防犯カメラ業者から提案を受ける際、「角度」「高さ」「距離」の具体的な数値が示されているかを確認してください。
「このカメラは高解像度だから大丈夫です」「高い位置に付ければ全体が映ります」といった曖昧な説明だけでは、設置後に失敗する可能性があります。
また、現地での試験撮影や微調整の工程が含まれているかも重要です。
一度の設置で完璧に撮れることはほぼなく、実際の映像を見ながら角度や設定を調整する工程が必須です。
まとめ:「見える」と「読める」は別物
駐車場全体を広く映せるカメラと、ナンバーを確実に読み取れるカメラは、求められる条件がまったく異なります。
ナンバー撮影で重要なのは、解像度の高さよりも「角度30度以内」「距離は高さの2倍まで」「150ピクセル以上の大きさ」という物理的条件を満たすことです。
設置場所や駐車場のタイプに応じて、最適な配置を見極めることが確実なナンバー撮影への近道です。

